熊本県 S歯科クリニック

同じ歯学部出身のご夫婦が同郷で開業したS歯科クリニック。クリニックをつくる際、特に強くこだわったのが診療室の配置です。顕微鏡のある診療室を導線の手前に持ってきて、その治療の様子をほかの患者さんに少し見えるようにしました。顕微鏡による歯内療法を行っている歯科医院は同市内にわずかのため、これを売りにしたいと考えたからです。

また、顕微鏡を導入した診療室はカウンセリングルームの隣に配置し、ドアで仕切ることで説明から治療へ、あるいは治療後の説明のための移動をスムーズに行えるようにしました。さらにはカウンセリングルームのもう一方のドアの向こうを受付につなげて、ほかの患者さんに気遣いすることなく治療費の支払いが済ませられるとの配慮も。

また、建物選びの際のポイントに、出入口が多く取れるということもありました。「患者さんの前では、常に医療人の姿でいたいと思ったのです。この構造なら診療時間中に子どもの世話のために抜けたり、パートのスタッフが帰ったりするときに、私服姿を患者さんに見せることなく建物の外に出られます」